ASSET-SSBJ

サステナビリティ開示テーマ別基準第1号 一般開示基準
目 的
- 1. 本基準の目的は、財務報告書の主要な利用者が企業に資源を提供するかどうかに関する意思決定を行うにあたり有用な、当該企業のサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報の開示について定めることにある。
- 2. サステナビリティ関連財務開示は、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報を開示しなければならない。また、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得ないサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報については、開示する必要はない。
開示基準
Ⅰ.範 囲
- 3. 本基準は、サステナビリティ開示基準に従ってサステナビリティ関連財務開示を作成し、報告するにあたり、適用しなければならない。
- 4. 本基準以外のサステナビリティ開示基準が、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報の開示について具体的に定めている場合、これに従わなければならない。
Ⅱ.用語の定義
ⅰ.本基準において定義している用語
- 5. 本基準は、次のように用語を定義している。
- (1) 「シナリオ分析」とは、不確実性がある状況下で、将来の事象の結果の考えられる範囲を識別し、評価するためのプロセスをいう。
- (2) 「産業別の指標」とは、その産業に属する企業に共通するビジネス・モデル又は活動に関連する指標をいう。
ⅱ.本基準以外のサステナビリティ開示基準において定義している用語
- 6. 本基準は、サステナビリティ開示ユニバーサル基準「サステナビリティ開示基準の適用」(以下「『適用基準』」という。)に定義している意味で次の用語を使用している。
- (1) 報告企業
- (2) 財務報告書
- (3) 財務報告書の主要な利用者(主要な利用者)
- (4) 財務諸表
- (5) サステナビリティ関連財務開示
- (6) 企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会
- (7) 重要性がある
- (8) 合理的で裏付け可能な情報
- (9) サステナビリティ開示基準
- (10) IFRSサステナビリティ開示基準
- (11) バリュー・チェーン
- (12) ビジネス・モデル
- (13) 実務上不可能
Ⅲ.コア・コンテンツの開示
ⅰ.4つの構成要素
- 7. 本基準以外のサステナビリティ開示基準が、具体的な状況において開示しなければならないとしているか、開示することができるとしている場合を除き、次に関する情報を開示しなければならない。
- (1) ガバナンス(第8項から第10項参照)
- (2) 戦略(第11項から第27項参照)
- (3) リスク管理(第28項及び第29項参照)
- (4) 指標及び目標(第30項から第39項参照)
ⅱ.ガバナンス
(a) 開示目的
- 8. ガバナンスに関するサステナビリティ関連財務開示の目的は、サステナビリティ関連のリスク及び機会をモニタリングし、管理し、監督するために企業が用いるガバナンスのプロセス、統制及び手続を理解できるようにすることにある。
(b) サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に責任を負うガバナンス機関又は個人
- 9. 第8項の目的を達成するため、サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に責任を負うガバナンス機関又は個人に関して、次の事項を開示しなければならない。
- (1) サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に責任を負うガバナンス機関の名称又は当該責任を負う個人の役職名
- (2) サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する責任が、(1)の機関又は個人に与えられた役割、権限及び義務などの記述及びその他の関連する方針にどのように反映されているか
- (3) (1)の機関又は個人が、サステナビリティ関連のリスク及び機会に対応するために定めた戦略を監督するための適切なスキル及びコンピテンシーが利用可能であるかどうか又は開発する予定であるかどうかについて、どのように判断しているか
- (4) (1)の機関又は個人が、サステナビリティ関連のリスク及び機会について、どのように、また、どの頻度で情報を入手しているか
- (5) (1)の機関又は個人が、企業の戦略、主要な取引に関する意思決定並びに当該企業のリスク管理のプロセス及び関連する方針を監督するにあたり、サステナビリティ関連のリスク及び機会をどのように考慮しているか((1)の機関又は個人が、それらのリスク及び機会に関連するトレードオフを考慮しているかどうかを含む。)
- (6) (1)の機関又は個人が、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関連する目標の設定をどのように監督し、それらの目標の達成に向けた進捗をどのようにモニタリングしているか(第39項参照)。これには、次の事項が含まれる。
- ① 関連するパフォーマンス指標が報酬に関する方針に含まれている場合、どのように含まれているか
- ② 関連するパフォーマンス指標が報酬に関する方針に含まれていない場合、その旨
(c) 経営者の役割
- 10. 第8項の目的を達成するため、サステナビリティ関連のリスク及び機会をモニタリングし、管理し、監督するために用いるガバナンスのプロセス、統制及び手続における経営者の役割に関して、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 具体的な経営者若しくはこれに準ずる者(本項において「経営者等」という。)又は経営者等が関与する委員会その他の機関への役割の委任に関する次の情報
- ① 役割が具体的な経営者等又は経営者等が関与する委員会その他の機関に委任されている場合、次の事項
- ア. 経営者等の役職名又は委員会その他の機関の名称
- イ. 経営者等又は委員会その他の機関に対し、どのように監督が実施されているか
- ② 役割が具体的な経営者等又は経営者等が関与する委員会その他の機関に委任されていない場合、その旨
- (2) 経営者によるサステナビリティ関連のリスク及び機会の監督を支援するための統制及び手続に関する次の情報
- ① 経営者が、サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督を支援するために、所定の統制及び手続を用いている場合、これらの統制及び手続がその他の内部機能とどのように統合されているか
- ② 経営者が、サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督を支援するために、所定の統制及び手続を用いていない場合、その旨
ⅲ.戦 略
(a) 開示目的
- 11. 戦略に関するサステナビリティ関連財務開示の目的は、サステナビリティ関連のリスク及び機会を管理する企業の戦略を理解できるようにすることにある。
- 12. 具体的には、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会(第14項参照)
- (2) (1)のサステナビリティ関連のリスク及び機会が企業のビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響(第15項参照)
- (3) (1)のサステナビリティ関連のリスク及び機会の財務的影響(第16項から第22項参照)
- (4) (1)のサステナビリティ関連のリスク及び機会が企業の戦略及び意思決定に与える影響(第23項参照)
- (5) (1)のサステナビリティ関連のリスクに関連する企業の戦略及びビジネス・モデルのレジリエンス(第24項から第27項参照)
- 13. 第12項(2)から(4)の事項は、第12項(1)のサステナビリティ関連のリスク及び機会のそれぞれについて開示しなければならない。また、第12項(1)のサステナビリティ関連のリスク及び機会のうち、相互に関連し合う複数のリスク及び機会については、「適用基準」第29項(1)に従い、関連する項目の間のつながりを理解できるように情報を開示しなければならない。
(b) サステナビリティ関連のリスク及び機会
- 14. 企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会について、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 「適用基準」第36項に従い識別した、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会
- (2) (1)のサステナビリティ関連のリスク及び機会のそれぞれについて、その影響が生じると合理的に見込み得る時間軸(短期、中期又は長期により表す。)
- (3) 企業による「短期」、「中期」及び「長期」の定義
- (4) (3)の定義と企業が戦略的意思決定に用いる計画期間との関係
(c) ビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響
- 15. 企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会について、次の事項を開示しなければならない。
- (1) サステナビリティ関連のリスク及び機会が現在の企業のビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与えている影響
- (2) サステナビリティ関連のリスク及び機会が将来の企業のビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与えると予想される影響
- (3) 企業のビジネス・モデル及びバリュー・チェーンにおいて、サステナビリティ関連のリスク及び機会が集中している部分
(d) 財務的影響
(財務的影響の開示)
- 16. 企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会について、次の事項を理解できるようにする情報を開示しなければならない。
- (1) 現在の財務的影響
サステナビリティ関連のリスク及び機会が、当報告期間において、企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに与えた影響 - (2) 予想される財務的影響
サステナビリティ関連のリスク及び機会が、短期、中期及び長期において、企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに与えると予想される影響 - 17. 第16項(1)及び(2)について、具体的には、次の事項に関する定量的及び定性的情報を開示しなければならない。
- (1) サステナビリティ関連のリスク及び機会が、当報告期間において、企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに与えた影響
- (2) (1)のサステナビリティ関連のリスク及び機会のうち、翌年次報告期間において、関連する財務諸表に計上する資産及び負債の帳簿価額に重要性がある影響を与える重大なリスクがあるもの
- (3) サステナビリティ関連のリスク及び機会を管理する企業の戦略を踏まえた、短期、中期及び長期における、企業の財政状態の変化に関する見込み。この開示を作成するにあたり、次の事項を考慮しなければならない。
- ① 企業の投資計画及び処分計画(契約上約束していない計画を含む。)
- ② 企業の戦略を遂行するための資金計画
- (4) サステナビリティ関連のリスク及び機会を管理する企業の戦略を踏まえた、短期、中期及び長期における、企業の財務業績及びキャッシュ・フローの変化に関する見込み
- 18. 第16項(2)の予想される財務的影響について、サステナビリティ関連のリスク及び機会が企業の財務計画にどのように含まれているかを考慮しなければならない。
- 19. 第16項(2)の予想される財務的影響に関する開示を作成するにあたり、次のようにしなければならない。
- (1) 合理的で裏付け可能な情報を用いる(「適用基準」第32項)。
- (2) 企業が利用可能なスキル、能力及び資源に見合ったアプローチを用いる。
(定量的情報の開示とその免除)
- 20. 財務的影響の開示(第16項から第19項参照。以下同じ。)において定量的情報を開示する場合、単一の数値又は数値の範囲を開示することができる。また、次のいずれかであると判断する場合には、定量的情報を開示する必要はない。
- (1) 影響を区分して識別できない。
- (2) 影響を見積るにあたり測定の不確実性の程度があまりにも高いために、もたらされる定量的情報が有用でない。
- 21. 企業が定量的情報を提供するスキル、能力又は資源を有していない場合、予想される財務的影響の開示において定量的情報を提供する必要はない。
- 22. 第20項又は第21項に従い、財務的影響の開示において定量的情報を提供する必要はないと判断した場合、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 定量的情報を提供していない理由
- (2) 当該財務的影響に関する定性的情報(サステナビリティ関連のリスク又は機会が影響を与える可能性が高いか、影響を与えた、関連する財務諸表の行項目、合計及び小計を含む。)
- (3) 財務的影響の開示において定量的情報を提供する必要はないと判断した事項に関するサステナビリティ関連のリスク又は機会と、他のサステナビリティ関連のリスク又は機会及びその他の要因との複合的な財務的影響に関する定量的情報(この複合的な財務的影響に関する定量的情報が有用でないと企業が判断する場合を除く。)
(e) 戦略及び意思決定に与える影響
- 23. 企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会について、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 企業の戦略及び意思決定において、サステナビリティ関連のリスク及び機会にどのように対応してきたか、また、今後対応する計画であるか
- (2) 過去の報告期間に開示した計画に対する進捗(定量的及び定性的情報を含む。)
- (3) (1)の対応を決定するにあたり考慮した、サステナビリティ関連のリスク及び機会の間のトレードオフ
(f) レジリエンス
- 24. サステナビリティ関連のリスクから生じる不確実性に対応する企業の能力(レジリエンス)について、次の事項に関する情報を開示しなければならない。
- (1) サステナビリティ関連のリスクに関連する、報告期間の末日における戦略及びビジネス・モデルのレジリエンスに関する定性的評価
- (2) 該当ある場合、サステナビリティ関連のリスクに関連する、報告期間の末日における戦略及びビジネス・モデルのレジリエンスに関する定量的評価
- 25. 第24項に従い開示する情報には、次の事項も含めなければならない。
- (1) レジリエンスの評価にあたり実施した手法
- (2) レジリエンスの評価にあたり考慮した時間軸
- 26. 第24項(2)に従い定量的情報を開示する場合、単一の数値又は数値の範囲を開示することができる。
- 27. 本基準以外のサステナビリティ開示基準が、シナリオ分析が要求されるかどうかを含め、具体的なサステナビリティ関連のリスクに対するレジリエンスに関して、開示しなければならない事項及び開示の作成方法を定めている場合、これに従わなければならない。
ⅳ.リスク管理
(a) 開示目的
- 28. リスク管理に関するサステナビリティ関連財務開示の目的は、次のことをできるようにすることにある。
- (1) サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングするプロセス(それらのプロセスが全体的なリスク管理プロセスに統合され、用いられているかどうか、また、統合され、用いられている場合、その統合方法及び利用方法を含む。)を理解すること
- (2) 企業の全体的なリスク・プロファイル及び全体的なリスク管理プロセスを評価すること
(b) リスク管理に関する開示
- 29. 第28項の目的を達成するため、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 企業がサステナビリティ関連のリスクを識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングするために用いるプロセス及び関連する方針に関する情報。これには、次の情報を含む。
- ① 企業が用いるインプット等に関する情報(例えば、データの情報源及び当該プロセスの対象となる事業の範囲に関する情報)
- ② サステナビリティ関連のリスクを識別するためのシナリオ分析に関する次の情報
- ア. サステナビリティ関連のリスクを識別するためにシナリオ分析を用いている場合、その利用方法に関する情報
- イ. サステナビリティ関連のリスクを識別するためにシナリオ分析を用いていない場合、その旨
- ③ サステナビリティ関連のリスクの影響の性質、発生可能性及び規模の評価方法に関する情報(例えば、定性的要因、定量的閾値又はその他の規準を考慮しているかどうか)
- ④ サステナビリティ関連のリスクの優先順位付けに関する次の情報
- ア. 他の種類のリスクと比べてサステナビリティ関連のリスクに高い優先順位を付けている場合、どのように高い優先順位を付けているかに関する情報
- イ. 他の種類のリスクと比べてサステナビリティ関連のリスクに高い優先順位を付けていない場合、その旨
- ⑤ サステナビリティ関連のリスクをモニタリングする方法に関する情報
- ⑥ 企業が用いるプロセスの変更に関する次の情報
- ア. 前報告期間と比較して、企業が用いるプロセスを変更した場合、変更の内容に関する情報
- イ. 前報告期間と比較して、企業が用いるプロセスを変更していない場合、その旨
- (2) サステナビリティ関連の機会を識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングするために用いるプロセスに関する情報
- (3) サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングするために用いるプロセスが、全体的なリスク管理プロセスに統合され、用いられている程度、並びにその統合方法及び利用方法に関する情報
ⅴ.指標及び目標
(a) 開示目的
- 30. 指標及び目標に関するサステナビリティ関連財務開示の目的は、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関連する企業のパフォーマンス(企業が設定した目標及び企業が活動する法域の法令により満たすことが要求されている目標がある場合、当該目標の達成に向けた進捗を含む。)を理解できるようにすることにある。
- 31. 指標(目標を設定し、当該目標の達成に向けた進捗をモニタリングするために用いる指標を含む。)の定義及び算定方法は、原則として、時間の経過とともに一貫性がなければならない。また、指標及び目標は、その内容を示す、明瞭かつ正確な名称を付し、定義しなければならない。
(b) 指 標
- 32. 第30項の目的を達成するため、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会のそれぞれについて、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 適用されるサステナビリティ開示基準が要求している指標
- (2) 次のものを測定し、モニタリングするために企業が用いている指標
- ① 識別したサステナビリティ関連のリスク又は機会
- ② 識別したサステナビリティ関連のリスク又は機会に関連する企業のパフォーマンス(企業が設定した目標及び企業が活動する法域の法令により満たすことが要求されている目標がある場合、当該目標の達成に向けた進捗を含む。)
- 33. 第30項及び第32項を適用することによって開示した指標には、企業に関連する産業別の指標のうち、主なものを含めなければならない。
- 34. 識別したサステナビリティ関連のリスク又は機会に具体的に適用される定めがサステナビリティ開示基準に存在しない場合、適用される指標を識別するために、「適用基準」第51項から第55項を適用しなければならない。
- 35. サステナビリティ開示基準以外の情報源から得た指標を開示する場合、当該情報源及びその得た指標を開示しなければならない。
- 36. 企業が作成した指標を開示する場合、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 指標の定義。これには、次の事項が含まれる。
- ① 当該指標がサステナビリティ開示基準以外の情報源から得た指標を調整したものである場合、どの情報源から得たのか、また、開示する指標がその情報源で定める指標とどのように異なるか
- ② 当該指標がサステナビリティ開示基準以外の情報源から得た指標を調整したものではない場合、その旨
- (2) 指標が絶対指標、相対指標又は定性的指標のいずれであるか
- (3) 第三者による指標の認証に関する次の情報
- ① 指標が第三者によって認証されている場合、認証者の名称
- ② 指標が第三者によって認証されていない場合、その旨
- (4) 指標の算定に用いた方法及びその算定に用いたインプット(用いた算定方法の限界及び置いた重大な仮定を含む。)
- 37. 指標(目標を設定し、当該目標の達成に向けた進捗をモニタリングするために用いる指標を含む。)の定義又は算定方法を変更した場合、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 変更された指標に関する更新された比較対象の数値(実務上不可能である場合を除く。)
- (2) 変更の内容
- (3) 変更の理由(再定義された指標又は置き換えられた指標がより有用な情報を提供する理由を含む。)
- 38. 指標を新たに導入した場合、そうすることが実務上不可能である場合を除き、当該指標に関する比較対象の数値を開示しなければならない。
(c) 目 標
- 39. 戦略的目標の達成に向けた進捗をモニタリングするために設定した目標及び企業が活動する法域の法令により満たすことが要求されている目標がある場合、これらの目標に関する情報を開示しなければならない。目標のそれぞれについて、次の事項を開示しなければならない。
- (1) 目標を設定し、当該目標の達成に向けた進捗をモニタリングするために用いる指標
- (2) 企業が設定したか、企業が満たすことを要求されている、具体的な定量的又は定性的目標
- (3) 目標が適用される期間
- (4) 進捗が測定される基礎となる期間
- (5) マイルストーン及び中間目標がある場合、その内容
- (6) 目標のそれぞれに対する企業のパフォーマンス
- (7) 企業のパフォーマンスに関するトレンド又は変化についての時系列での分析
- (8) 目標を変更した場合、その旨及びその内容
Ⅳ.適用時期等
ⅰ.適用時期
- 40. サステナビリティ開示基準に従った開示を行う場合には、本基準を含むサステナビリティ開示基準のすべての定めを適用しなければならない。
- 41. 2025年に公表された本基準(以下「2025年基準」という。)は、公表日である2025年3月5日以後終了する年次報告期間に係るサステナビリティ関連財務開示から適用する。
- 41-2. 2026年に改正された本基準(以下「2026年改正基準」という。)の適用時期は、2026年改正のサステナビリティ開示テーマ別基準第2号「気候関連開示基準」(以下「『2026年改正気候基準』」という。)の適用時期と同様とする。
ⅱ.経過措置
(a) 法令の定めに基づきサステナビリティ開示基準に従った開示を行う場合
(本基準の最初の適用)
- 42. 本基準を適用する最初の年次報告期間において、比較情報を開示しないことができる。この経過措置を適用する場合、その旨を開示しなければならない。
- 43. 「適用基準」第94項を適用し、本基準を適用する最初の年次報告期間において、サステナビリティ開示テーマ別基準第2号「気候関連開示基準」(以下「『気候基準』」という。)に準拠して気候関連のリスク及び機会のみについての情報を開示する場合、本基準を適用する2年目の年次報告期間において、気候関連のリスク及び機会以外のサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する比較情報を開示しないことができる。この経過措置を適用する場合、その旨を開示しなければならない。
Ⅴ.議 決
- 44. 2025年基準は、第49回サステナビリティ基準委員会に出席した委員13名全員の賛成により承認された。なお、出席した委員は、以下のとおりである。
川 西 安 喜(委員長)
中 條 恵 美
井 口 譲 二
川那部 留理子
菊 池 勝 也
草 野 英 哉
阪 智 香
関 口 洋 平
高 村 ゆかり
藤 本 貴 子
峰 雪 輝 史
宮 坂 充
森 洋 一 - 44-2. 2026年改正基準は、第65回サステナビリティ基準委員会に出席した委員12名全員の賛成により承認された。なお、出席した委員は、以下のとおりである。
川 西 安 喜(委員長)
衣 川 清 隆
山 口 奈 美
井 口 譲 二
太 田 稔
川那部 留理子
草 野 英 哉
阪 智 香
関 口 洋 平
芹 口 尚 子
峰 雪 輝 史
山 我 哲 平
結論の背景
経 緯
我が国最初のサステナビリティ開示基準の公表
- BC1. 当委員会は、国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB」という。)が国際的なサステナビリティ開示基準を開発するために設立されたことを受け、我が国におけるサステナビリティ開示基準を開発すること等を目的として、2022年7月に設立された。
- BC2. ISSBは、国際的なサステナビリティ開示基準の開発にあたり、世界的に統一的な基準が適用されることを望む関係者の喫緊のニーズを踏まえ、白紙の状態から基準の開発を始めるのではなく、既存の基準やフレームワークを基礎とすることとした。ISSBは、自ら開発する基準を「グローバル・ベースライン」と位置付け、各法域において追加の開示要求を定めることができるとした。
- BC3. 2023年6月、ISSBは、最初のIFRSサステナビリティ開示基準となるIFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」(以下「IFRS S1号」という。)及びIFRS S2号「気候関連開示」(以下「IFRS S2号」という。)を公表した。
- BC4. 当委員会は、高品質で国際的に整合性のあるサステナビリティ開示基準を開発するにあたり、グローバル・ベースラインとされるIFRSサステナビリティ開示基準と整合性のあるものとすることが関係者にとって有用であると考えた。そのため、我が国のサステナビリティ開示基準においても、IFRS S1号に相当する基準及びIFRS S2号に相当する基準の開発に取り組むこととした。
- BC5. その後、当委員会は、サステナビリティ開示基準の「開発にあたっての基本的な方針」(BC10項及びBC11項参照)を定め、当該基本的な方針に基づき我が国におけるサステナビリティ開示基準の開発に関する審議を行い、その結果を2024年3月にサステナビリティ開示ユニバーサル基準公開草案「サステナビリティ開示基準の適用(案)」、サステナビリティ開示テーマ別基準公開草案第1号「一般開示基準(案)」及びサステナビリティ開示テーマ別基準公開草案第2号「気候関連開示基準(案)」(以下あわせて「2024年3月公開草案」という。)として公表し広く意見を求めた。
- BC6. 当委員会は、2024年3月公開草案に対して寄せられた意見を踏まえ検討を行った。その結果、2024年3月公開草案の提案を修正することとした内容のうち、指標の報告のための算定期間に関する論点については、当委員会が改めて意見を求めることが適切と考え、2024年11月にサステナビリティ開示ユニバーサル基準公開草案第2号及びサステナビリティ開示テーマ別基準公開草案第3号「指標の報告のための算定期間に関する再提案」(以下「2024年11月公開草案」という。)として再提案を公表し広く意見を求めた。
- BC7. その後、当委員会は、2024年3月公開草案及び2024年11月公開草案に対して寄せられた意見を踏まえて検討を行い、これらの公開草案の内容を一部修正したうえで、2025年3月に我が国最初のサステナビリティ開示基準(2025年基準)を公表した。
2026年改正基準の公表
- BC7-2. ISSBでは、IFRS S1号及びIFRS S2号の公表後、これらの基準の適用を支援するための活動を行っている。その活動を通じて識別された課題に対応するため、2025年12月にIFRS S2号の修正「温室効果ガス排出の開示に対する修正―IFRS S2号に対する修正」(以下「2025年公表のIFRS S2号の修正」という。)を公表した。また、このIFRS S2号の修正に伴う結果的修正として、「SASBスタンダード」の修正を公表した。
- BC7-3. 当委員会は、「適用基準」BC19項(1)に記載の基準公表後の対応方針に従って、2025年公表のIFRS S2号の修正の公表に伴う「気候基準」における取扱いについて検討を行うこととした。この際、ISSBによってIFRS S2号の修正に伴う結果的修正として「SASBスタンダード」が修正されたことを踏まえて、「適用基準」において、「参照し、その適用可能性を考慮しなければならない」情報源として定めている「SASBスタンダード」の参照先を最新のものに改正することについて、検討を行うこととした。
- BC7-4. また、当委員会は、検討の結果としてサステナビリティ開示基準を改正する場合には、2025年に我が国最初のサステナビリティ開示基準公表後、初めての改正になることを踏まえ、本基準、「適用基準」及び「気候基準」のそれぞれについて、必要と考えられる文言の修正について審議を行い、その検討結果についても公開草案に含めることとした。
- BC7-5. 当委員会は、2025年12月に、これらの審議における検討の結果について、「温室効果ガス排出の開示に対する改正案」(以下「2025年12月公開草案」という。)として、サステナビリティ開示ユニバーサル基準公開草案第3号「サステナビリティ開示基準の適用(案)」、サステナビリティ開示テーマ別基準公開草案第4号「一般開示基準(案)」及びサステナビリティ開示テーマ別基準公開草案第5号「気候関連開示基準(案)」を公表し、広く意見を求めた。
- BC7-6. 2026年改正基準は、2025年12月公開草案に対して寄せられた意見を踏まえて検討を行い、2025年12月公開草案の内容を一部修正したうえで公表するに至ったものである。
適用対象企業
- BC8. 「適用基準」BC8項からBC10項では、同基準の適用対象企業について記述している。本基準の適用対象企業の考え方は、「適用基準」と同様である。
サステナビリティ開示基準の構成
- BC9. 「適用基準」BC11項からBC15項では、サステナビリティ開示基準の構成について記述している。
開発にあたっての基本的な方針
- BC10. 「適用基準」BC16項では、サステナビリティ開示基準の開発にあたっての基本的な方針について記述している。
- BC11. 本基準の定めについては、この基本的な方針のもとで開発しており、基本的にIFRS S1号のサステナビリティ関連のリスク及び機会に関して開示すべき事項(以下「コア・コンテンツ」という。)を定めた部分の内容を取り入れている。本基準の結論の背景は、次の内容を中心に記述しており、IFRS S1号の結論の根拠については詳述していない。
- (1) IFRS S1号に要求事項がないものについて当委員会において定めを置くこととした項目
- (2) IFRS S1号の要求事項について当委員会において選択肢を追加したうえで本基準に取り入れることとした項目
本基準公表後の対応
- BC12. 「適用基準」BC18項及びBC19項では、基準公表後の対応について記述している。本基準についても、同様の対応を行う。
目 的
- BC13. 本基準は、IFRS S1号におけるコア・コンテンツに関する定めに相当する内容を定めており、財務報告書の主要な利用者が企業に資源を提供するかどうかに関する意思決定を行うにあたり有用な、当該企業のサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報の開示について定めることを目的としている(第1項参照)。
- BC14. 本基準の目的は、IFRS S1号の目的と整合している。また、このIFRS S1号の目的は、IFRS会計基準に従い作成される財務諸表に適用される、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)の「財務報告に関する概念フレームワーク」(以下「『概念フレームワーク』」という。)、国際会計基準(IAS)第1号「財務諸表の表示」(以下「IAS第1号」という。)及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の目的と同様であるとされている(IFRS S1号BC7項)。
開示基準
Ⅰ.範 囲
ⅰ.本基準以外のサステナビリティ開示基準との関係
- BC15. 本基準は、サステナビリティ開示基準に従ってサステナビリティ関連財務開示を作成し、報告するにあたり、適用しなければならないとしている(第3項参照)。これは、「適用基準」と同様である(「適用基準」第2項)。
- BC16. したがって、第4項の定めに従い、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報の開示について具体的に定めている本基準以外のサステナビリティ開示基準を適用する場合でも、本基準に従う必要がある。
ⅱ.「重要性がある」
- BC17. 「適用基準」は、「重要性がある」という用語について、「サステナビリティ関連財務開示の文脈において、ある情報について、それを省略したり、誤表示したり、不明瞭にしたりした場合に、財務諸表及びサステナビリティ関連財務開示を含む、特定の報告企業に関する財務情報を提供する当該報告書に基づいて財務報告書の主要な利用者が行う意思決定に影響を与えると合理的に見込み得ること」と定義している(第6項(7)参照、「適用基準」第4項(7))。
- BC18. 「適用基準」は、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会に関して、重要性がある情報を開示しなければならないとしている(「適用基準」第48項)。また、同基準は、たとえサステナビリティ開示基準において、具体的な開示項目を列挙していたり、最低限開示すべき事項を定めていたりする場合であっても、情報に重要性がないときには、これを開示する必要はないとしている(「適用基準」第22項)。このため、本基準の定めにより求められている情報(具体的な開示項目を列挙していたり、最低限開示すべき事項を定めていたりする場合を含む。)であっても、重要性がない場合には、当該情報を開示する必要はないと考えられる。
ⅲ.任意でサステナビリティ開示基準に従った開示を行う場合
- BC19. 本基準では、一部の事項について、任意でサステナビリティ開示基準に従った開示を行う場合における別段の取扱いを定めている。任意でサステナビリティ開示基準に従った開示を行う場合とは、法令の定めに基づき本基準を適用するのではなく、企業が自発的にサステナビリティ開示基準のすべての定めに準拠した開示を行う場合をいい、法令の定めに基づき本基準の適用時期を早める場合は該当しないと考えられる。
Ⅱ.用語の定義
- BC20. 当委員会は、サステナビリティ開示基準において、IFRSサステナビリティ開示基準が用いる用語及びその定義を、原則として同一の意味で取り入れている。当該用語の定義をIFRSサステナビリティ開示基準とは異なるものとした場合、サステナビリティ開示基準を適用した結果として開示される情報が国際的な比較可能性を大きく損なわせるものとなる可能性があるためである。
- BC21. 本基準では、「報告企業」及び「企業」という用語を用いている。「報告企業」とは、財務諸表の作成を要求される又はこれを選択する企業をいう(第6項(1)参照、「適用基準」第4項(1))。
- BC22. 本基準は、国際的な基準との整合性を図るためにIFRSサステナビリティ開示基準を取り入れるとしたものについて、日本語として不自然になると考えられた場合に、次のとおり、基準の意図がより明確になるような表現を用いることとした。これは、我が国の関係者にとって理解しやすい表現とすることを目的としており、IFRSサステナビリティ開示基準との間に差異を設けることを意図していない。

- BC23. なお、本基準では、サステナビリティ関連の実務においてこれまで使われてきた用語と必ずしも同じ表現を用いていないものがある。これは、国際的な基準との整合性を考慮して開発した本基準において用いる用語の定義と、実務で使われてきた用語の定義が、必ずしも同じではない場合があると考えられたためである。
Ⅲ.コア・コンテンツの開示
ⅰ.4つの構成要素
- BC24. 本基準は、本基準以外のサステナビリティ開示基準が具体的な状況において開示しなければならないとしているか、開示することができるとしている場合を除き、経営全般に関連する次の4つの構成要素(コア・コンテンツ)に関する情報を開示しなければならないとしている(第7項参照)。
- (1) ガバナンス(第8項から第10項参照)
- (2) 戦略(第11項から第27項参照)
- (3) リスク管理(第28項及び第29項参照)
- (4) 指標及び目標(第30項から第39項参照)
- BC25. 本基準は、金融安定理事会の「気候関連財務開示に関するタスクフォース」(以下「TCFD」という。)による提言を基礎とし、企業がサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報をどのように識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングし、管理しているかについて、コア・コンテンツの開示において説明することを求めている。
- BC26. 我が国においては、2023年1月に「企業内容等の開示に関する内閣府令」が改正され、上場会社等に対して、2023年3月期の有価証券報告書から新設されたサステナビリティの記載欄において、4つの構成要素に基づく開示を行うことが求められている。また、東京証券取引所が公表する「コーポレートガバナンス・コード」では、2021年6月の改訂において、プライム上場企業に対し、TCFD又はそれと同等のフレームワークに基づく開示の質と量の充実を進めるべきとの考えが示された(補充原則3-1③)。
- BC27. このため、当委員会は、TCFD提言に基づく開示は、我が国の関係者に受け入れられやすいと考え、本基準において、IFRSサステナビリティ開示基準と同じ構成を取り入れることとした。
ⅱ.ガバナンス
- BC28. 本基準は、サステナビリティ関連のリスク及び機会をモニタリングし、管理し、監督するために企業が用いるガバナンスのプロセス、統制及び手続を理解できるように、サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に責任を負うガバナンス機関又は個人に関する情報と、ガバナンスのプロセス、統制及び手続における経営者の役割に関する情報を開示しなければならないとしている(第8項から第10項参照)。
- BC29. サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に責任を負うガバナンス機関(第9項(1)参照)には、取締役会、取締役により構成される委員会又はガバナンスに対する責任を負う同等の機関が含まれると考えられる。また、サステナビリティ関連のリスク及び機会の全体的な監督責任を、ガバナンス機関ではなく、具体的な専門性及び経験を有する個人が担う場合もあると考えられる。
- BC30. ガバナンスの開示に関する本基準の定めは、そのほとんどがTCFD提言を基礎としているが、IFRS S1号と同様に、主要な利用者のニーズを満たすためにTCFD提言を補足する定めを追加している。例えば、本基準では、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する責任が、ガバナンス機関又は個人に与えられた役割、権限及び義務などの記述及びその他の関連する方針にどのように反映されているかを開示しなければならないとしている(第9項(2)参照)。
- BC31. さらに、次の項目については、IFRS S1号では開示することが明示的に要求されていないものの、主要な利用者に有用な情報を提供すると考えられたため、本基準においては開示しなければならないこととした。
- (1) サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に責任を負うガバナンス機関の名称又は当該責任を負う個人の役職名(第9項(1)参照)
- (2) ガバナンスのプロセス、統制及び手続における経営者の役割が、具体的な経営者若しくはこれに準ずる者(経営者等)又は経営者等が関与する委員会その他の機関に委任されている場合における、経営者等の役職名又は委員会その他の機関の名称(第10項(1)①ア参照)
ⅲ.戦 略
(a) サステナビリティ関連のリスク及び機会
(時間軸)
- BC32. 本基準は、識別したサステナビリティ関連のリスク及び機会のそれぞれについて、その影響が生じると合理的に見込み得る時間軸を短期、中期又は長期により表さなければならないとしたうえで、企業による「短期」、「中期」及び「長期」の定義を開示しなければならないとしている(第14項(2)及び(3)参照)。
- BC33. IFRS S1号において説明されているように、短期、中期及び長期の時間軸は、企業によって異なると考えられ、企業が属する産業の特性(キャッシュ・フロー、投資及びビジネスのサイクル等)、意思決定や資本配分計画に通常用いられる期間、主要な利用者が企業の評価を行う時間軸といった多くの要因に依存すると考えられる(IFRS S1号第31項)。
- BC34. サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報は、時間軸に関する企業固有の評価の文脈において最もよく理解されると考えられることから、本基準においても時間軸を定義しないこととした。
(b) ビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響
- BC35. 本基準は、企業のビジネス・モデル及びバリュー・チェーンにおいて、サステナビリティ関連のリスク及び機会が集中している部分について開示しなければならないとしている(第15項(3)参照)。例えば、気候関連のリスクについては、ある製品の製造に必要不可欠な特定の資源の供給に影響を与える、特定の地理的な所在地における物理的リスクの集中を識別し、地域、施設又は資産の種類について開示することが考えられる。
(c) 財務的影響
(財務的影響の開示)
- BC36. 本基準は、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会について、現在の及び予想される財務的影響を理解できるようにする情報を開示しなければならないとしている(第16項参照)。財務的影響とは、企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに与える影響を意味している。なお、「財務業績」とは、我が国における「経営成績」に相当するものであると考えられる。
- BC37. 本基準が第16項の定めを置くのは、IFRS S1号が説明しているように、企業が、サステナビリティ関連のリスク及び機会と財務諸表において報告される情報との間のつながりを識別し、説明することで、関連する財務諸表における情報を補足又は拡充する情報が開示されると考えられるためである。
- BC38. 本基準では、財務的影響の開示において定量的情報を開示する場合、単一の数値又は数値の範囲を開示することができるとしている(第20項参照)。ここで、財務的影響の開示において開示される定量的情報は、金額であることが多いと考えられるものの、金額以外も排除しないという意味で「数値」という用語を用いている。
- BC39. 現在の及び予想される財務的影響の開示とは、サステナビリティ関連のリスク及び機会が、財務諸表にどのような影響を与えたか、又は与えると予想されるかについて理解できるような情報を提供することと考えられる。例えば、本基準では、サステナビリティ関連のリスク及び機会を管理する企業の戦略を踏まえた、短期、中期及び長期における、企業の財政状態の変化に関する見込みについて開示することを定めており、当該開示を作成するにあたり、企業の投資計画及び処分計画を考慮しなければならないとしている(第17項(3)①参照)。このような投資計画及び処分計画には、例えば、資本的支出、主要な買収及びダイベストメント、共同支配企業、事業変革、イノベーション、新規の事業領域並びに資産の除却に対する計画が含まれ、企業が契約上約束していない計画も含まれると考えられる。
- BC40. さらに、本基準は、サステナビリティ関連のリスク及び機会を管理する企業の戦略を踏まえた、短期、中期及び長期における、企業の財務業績及びキャッシュ・フローの変化に関する見込みについて開示しなければならないとしている(第17項(4)参照)。これには、例えば、純利益に対する影響等の開示が考えられる。
- BC41. なお、第17項(2)は、IFRS S1号では「翌年次報告期間中に関連する財務諸表で報告される資産及び負債の帳簿価額に重要性がある修正が生じる重大なリスクがある」とされているが、これは、IFRS会計基準におけるIAS第1号第125項の要求事項と整合していると考えられる。このため、本基準の表現は、IAS第1号第125項を参考に開発された企業会計基準第31号「会計上の見積りの開示に関する会計基準」の定めと整合させ、「翌年次報告期間において、関連する財務諸表に計上する資産及び負債の帳簿価額に重要性がある影響を与える重大なリスクがある」としている。これは、IFRS S1号とは異なるものの、その趣旨についてIFRS S1号との間に差異を設けることを意図していない。
(合理的で裏付け可能な情報の使用)
- BC42. 「適用基準」は、サステナビリティ開示基準において、合理的で裏付け可能な情報を用いることを求めている場合、当該定めに従わなければならないとしている(「適用基準」第32項)。本基準において、合理的で裏付け可能な情報を用いなければならないと定めている項目は次のとおりであり、IFRSサステナビリティ開示基準と整合している。

- BC43. 予想される財務的影響に関する開示(第16項(2)参照)を作成する場合に合理的で裏付け可能な情報を用いるにあたり、具体的には、IFRSサステナビリティ開示基準と同様に、次のように適用することが考えられる。
- (1) 裏付け可能ではない又は不合理な情報を前提として、リスク又は機会の予想される財務的影響を過大に又は過小に記載することが禁止される。
- (2) リスク又は機会の予想される財務的影響を判断するにあたり、情報の網羅的な探索を実施することは要求されない。当該情報の入手に伴うコスト及び労力に見合った情報探索を実施することが容認される。
- (3) 予想される財務的影響を測定するために、情報の網羅的な探索を実施することは要求されない。そのようなリスク及び機会の予想される財務的影響を測定するにあたり、報告期間の末日において企業が過大なコストや労力をかけずに利用可能な、すべての合理的で裏付け可能な情報を用いることが要求される。
- (4) 報告期間の末日において企業が利用可能な情報(過去の事象、現在の状況及び将来の状況の予想を含む。)のみを用いることが容認され、その日よりも後にしか利用可能とならない情報を用いることは要求されない。
(利用可能なスキル、能力及び資源に見合ったアプローチの使用)
- BC44. 本基準は、サステナビリティ関連のリスク又は機会の予想される財務的影響に関する開示を作成するにあたり、企業が利用可能なスキル、能力及び資源に見合ったアプローチを用いなければならないとしている(第19項(2)参照)。ここで、企業がスキル又は能力を獲得又は開発するために利用可能な資源を有している場合、当該スキル又は能力を有していないという理由では、予想される財務的影響についての定量的情報の開示は免除されない(第21項参照)。
(定量的情報の開示とその免除)
- BC45. 財務的影響の開示については、財務的影響が、多くのリスク又は機会から生じ、財務諸表上の多くの項目に影響を与える場合があることから、当該財務的影響を個別のサステナビリティ関連のリスク又は機会に帰属させることが困難な場合があると考えられる。この点、本基準は、IFRS S1号と同様に、一定の条件を満たす場合、財務的影響に関する開示において定量的情報を開示する必要はないとしている(第20項参照)。
- BC46. 企業が定量的情報の開示を要するかどうかを判断するにあたり、IFRSサステナビリティ開示基準はIFRS会計基準における概念を用いることとしている。例えば、第20項の条件に含まれる、影響を「区分して識別」できるかどうかの概念は、IFRS S1号第38項(a)を取り入れたものであるが、さまざまなIFRS会計基準で見られるとされている。ISSBは、IASBの「概念フレームワーク」の測定の不確実性の概念をIFRS S1号のために手直しし、個々のサステナビリティ関連のリスク及び機会の影響の定量化について高度の測定の不確実性を伴う場合、現在の及び予想される財務的影響を定量化できないことがある旨を明確にすることができるとしており(IFRS S1号BC109項)、本基準においても、この考え方を取り入れている。
- BC47. また、本基準は、財務的影響の開示において定量的情報を提供する必要はないと判断した場合であっても、定性的情報及び有用性がある他の定量的情報を開示しなければならないとしている(第22項参照)。この場合の定性的情報には、サステナビリティ関連のリスク又は機会が影響を与える可能性が高いか、影響を与えた、関連する財務諸表の行項目、合計及び小計を含むとしている(第22項(2)参照)。なお、「行項目」には、我が国において「表示科目」と呼ばれているものが含まれると考えられる。
- BC48. 財務諸表の行項目、合計及び小計を開示するという定めは、企業が個々のサステナビリティ関連のリスク及び機会の財務的影響に関する定量的情報を提供できない状況においても、財務諸表上のどの領域がサステナビリティ関連のリスク又は機会の影響を受けた可能性が高いか又は受けることになるかを強調することができるため、有用であると考えられる。
(d) 戦略及び意思決定に与える影響
- BC49. 本基準は、企業が考慮した、サステナビリティ関連のリスク及び機会の間のトレードオフを開示しなければならないとしている(第23項(3)参照)。トレードオフの例として、IFRS S1号では、新たな事業を営む場所に関する意思決定を行うにあたり、当該事業による環境上のインパクトと、当該事業がコミュニティに生み出す雇用の機会が挙げられている(IFRS S1号第33項(c))。
(e) レジリエンス
- BC50. 本基準におけるレジリエンスの評価の開示に関する定めは、IFRS S1号と同様に、幅を持たせたものとなっており、企業の状況にあわせて開示する内容を柔軟に決定することができると考えられる。レジリエンスの評価は、短期的には日常的なリスク管理プロセスを通じて、また、中期的又は長期的には、中長期的な経営計画の策定プロセスを通じて識別したサステナビリティ関連のリスクに対し、企業の戦略及びビジネス・モデルの調整が必要かどうかについて評価することであり、企業の日常的な活動の中で行われていることであると考えられる。例えば、識別したサステナビリティ関連のリスクに対して、企業の戦略及びビジネス・モデルの調整が必要かどうかについて、サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に責任を負うガバナンス機関又は個人において検討している(あるいは、過去に検討した内容について変更していない)のであれば、その旨及び内容を開示することが考えられる。
- BC51. 本基準の前提となる「適用基準」では、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク、すなわち、短期、中期又は長期にわたり、企業のキャッシュ・フロー、当該企業のファイナンスへのアクセス又は資本コストに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスクを識別することを求めている(「適用基準」第4項(6)及び第36項)。これは、サステナビリティ関連財務開示において、すべてのサステナビリティ関連のリスクに関する情報を提供するのではなく、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスクに関する情報を提供することを意図している。したがって、本基準は、すべてのサステナビリティ関連のリスクに対してレジリエンスの評価を行うことを想定してはいない。
- BC52. 本基準は、「レジリエンス」について、「サステナビリティ関連のリスクから生じる不確実性に対応する企業の能力」と定義している(第24項参照)。レジリエンスに関する情報は、現在の及び予想される財務的影響に関連する情報と考えられるが、レジリエンスに関する情報と、現在の及び予想される財務的影響に関する情報とは、異なる情報ニーズに応えることを目的としており、それぞれ別個に定めている。
- BC53. すなわち、レジリエンスに関する情報は、サステナビリティ関連のリスクやさまざまなシナリオにおける関連する不確実性の影響に対処し、耐える能力に関する情報を提供することを目的としている。一方、現在の及び予想される財務的影響に関する情報は、これらのリスク及び機会が、企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに与える影響に関する情報を提供することを目的としている。
- BC54. なお、本基準は、サステナビリティ関連のリスク及び機会の予想される財務的影響を開示するという定め(第16項(2)参照)を満たすためにレジリエンスの評価を実施することは求めていない。しかし、予想される財務的影響を判断するにあたり、レジリエンスの評価を実施している場合には、当該評価の有用性及び関連性を考慮することがあると考えられる。
- BC55. 2024年3月公開草案に寄せられたコメントの中には、レジリエンスの評価の開示に関する第24項の定めとサステナビリティ関連のリスク及び機会が戦略及び意思決定に与える影響の開示に関する第23項(1)の定めとの関係が明らかではないとの意見があったが、次のとおり、これらは異なる定めであると考えられる。
- (1) レジリエンスの評価の開示に関する第24項の定めは、レジリエンス、すなわち、サステナビリティ関連のリスクから生じる不確実性に対応する企業の能力を評価した結果を開示することを求めており、サステナビリティ関連のリスクから生じる不確実性に対して、(例えば、戦略及びビジネス・モデルの調整が必要と判断した場合のように)企業の戦略及びビジネス・モデルの評価に影響がある場合に、その影響を開示することを求めている。
- (2) サステナビリティ関連のリスク及び機会が戦略及び意思決定に与える影響の開示に関する第23項(1)の定めは、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会が企業の戦略及び意思決定に与える影響として、識別したサステナビリティ関連のリスク及び機会にどのように対応してきたか、また、今後どのように対応する計画であるかについて開示することを求めている。
ⅳ.リスク管理
- BC56. 本基準は、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングするために用いるプロセスに関する情報を開示しなければならないとしている(第29項参照)。
- BC57. リスク管理に関する定めについて、IFRSサステナビリティ開示基準では、TCFD提言に対して一部変更を加えており、本基準においても当該IFRSサステナビリティ開示基準の要求事項を取り入れている。例えば、TCFD提言はリスクに関連したプロセスのみに焦点を当てているが、IFRSサステナビリティ開示基準及び本基準では、リスク及び機会は同じ不確実性の源泉からもたらされる又はそれに関連している可能性があるとの考えから、機会についても含めている。これは、一般的な実務において、リスクのみならず機会についても、識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングする対象とされていることがあると考えられるためである。
ⅴ.指標及び目標
(a) 開示目的
- BC58. 本基準における指標及び目標の開示目的は、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関連する企業のパフォーマンスを理解できるようにすることである(第30項参照)。すなわち、指標に関しては、適用されるサステナビリティ開示基準が要求している指標(第32項(1)参照)と、識別したサステナビリティ関連のリスク又は機会や識別したサステナビリティ関連のリスク又は機会に関連する企業のパフォーマンスを測定し、モニタリングするために企業が用いている指標(第32項(2)参照)に関する情報を開示することであるとしている。一方、目標に関しては、企業が設定した目標及び企業が活動する法域の法令により満たすことが要求されている目標がある場合、これらの目標の達成に向けた進捗を含む情報を開示することとしている(第39項参照)。
- BC59. 本基準は、企業に特定の目標を設定することを要求しておらず、企業が目標を設定している場合又は企業が特定の目標を設定することを法令で要求されている場合に、これらの目標に関する情報を開示することを求めている。
(b) 指 標
- BC60. 本基準は、企業が作成した指標を開示する場合、指標が絶対指標、相対指標又は定性的指標のいずれであるかを開示することを要求している(第36項(2)参照)。ここで、相対指標とは、他の指標との関連で表現されている測定値をいい、例えば、原単位情報や比率が含まれると考えられる。また、定性的指標には、例えば、赤・黄・緑の3色により状態を表したRAGステータス等が含まれると考えられる。
Ⅳ.適用時期等
ⅰ.適用時期
(a) 2025年基準
- BC61. 2025年基準では、強制適用時期について定めていなかった。サステナビリティ開示基準に従って開示を行うことが強制される時期については、サステナビリティ開示基準に従って開示を行うことを要求する法令において定められることが想定されたためである。
- BC62. 2025年基準は、2025年に公表された「適用基準」及び「気候基準」と同時に適用しなければならないとしたうえで、公表日である2025年3月5日以後終了する年次報告期間に係るサステナビリティ関連財務開示から適用することができるとしていた(2025年基準の第40項及び第41項参照)。
- BC63. 当委員会における審議の過程では、2025年基準の第40項及び第41項のような定めを置くべき理由として、次の意見が聞かれた。
- (1) 企業及び主要な利用者のニーズを踏まえると、可能な限り早いタイミングで適用できるようにすることが適切と考えられる。
- (2) 2025年基準並びに2025年に公表された「適用基準」及び「気候基準」は、開示に関する基準であるため、期首に遡って大量のデータ処理等をやり直すことにはならないと考えられる。このため、公表日以後終了する年次報告期間に係るサステナビリティ関連財務開示から適用することとした場合でも対応できる企業はあると考えられ、そのような企業に早いタイミングでの適用を禁止すべきではないと考えられる。
- (3) 2025年基準並びに2025年に公表された「適用基準」及び「気候基準」は、IFRSサステナビリティ開示基準と相当程度、整合性が図られており、IFRSサステナビリティ開示基準を基礎として開示の準備を進めてきた企業においては公表日以後終了する年次報告期間から報告できる場合があると考えられ、これを禁止する理由はないと考えられる。
(b) 2026年改正基準
- BC63-2. 2026年改正基準において改正される内容は、「気候基準」の改正に伴うものであることから、適用時期については、「2026年改正気候基準」の適用時期と同様とすることとしている(第41-2項参照)。
- BC63-3. また、第41-2項における2026年改正基準の適用時期の定めと、2025年基準の第40項及び第41項の定め(BC62項及びBC63項参照)との関係が分かりにくく、円滑な基準の適用を妨げるおそれが生じる可能性があるとの指摘がなされたことを踏まえ、本基準を「適用基準」及び「気候基準」と同時に適用しなければならないとする2025年基準の第40項の定めを、サステナビリティ開示基準に従った開示を行う場合には、本基準を含むサステナビリティ開示基準のすべての定めを一体として適用することを定めるものとして明確化することとしている。さらに、第41項が2025年基準の適用時期に関する定めであることを明確にすることとしている。
ⅱ.経過措置
(a) 法令の定めに基づきサステナビリティ開示基準に従った開示を行う場合
(本基準の最初の適用)
経過措置が適用される報告期間
- BC64. 第42項の経過措置は、法令の定めに基づき本基準を適用する最初の年次報告期間に適用することができる。また、第43項の経過措置は、法令の定めに基づき本基準を適用する2年目の年次報告期間に適用することができる。
- BC65. 法令の定めに基づき本基準を適用する場合、それ以前に任意でサステナビリティ開示基準に従った開示を行っていたかどうかにかかわらず、当該法令に基づき本基準を適用する最初の年次報告期間が「法令の定めに基づき本基準を適用する最初の年次報告期間」となる。
- BC66. なお、法令の定めにおいて、本基準の適用時期を早めることが容認される場合がある。当該法令の定めが容認する内容に基づき企業が適用時期を早めることを選択した場合、本基準を早めて適用する最初の年次報告期間が「法令の定めに基づき本基準を適用する最初の年次報告期間」となる。
経過措置の適用
- BC67. 本基準は、本基準に関連するIFRS S1号の経過措置を取り入れ、経過措置を複数定めている。これらの経過措置は、1つ又は複数適用することができるため、すべて又はいずれかの経過措置を適用する場合には、本基準において開示を要求する情報の一部が開示されないことになる。このため、経過措置を適用する場合、どの経過措置を適用しているかが明確になるように、それぞれの経過措置において、当該経過措置を適用している旨をそれぞれ開示しなければならない旨を定めることとした(第42項及び第43項参照)。
- BC68. 「適用基準」第94項又は第96項の経過措置を適用する場合、「気候基準」に準拠して気候関連のリスク及び機会のみについての情報を開示することになる。これは、本基準を適用したうえで、本基準に基づく情報を開示しないということであり、そのような場合でも本基準に準拠したことになると考えられる。
- BC69. なお、法令の定めに基づきサステナビリティ開示基準に従った開示を行う場合で、当該法令において経過措置が定められるときは、当該経過措置に従うことになると考えられる。
- 以 上
