SSBJ サステナビリティ基準委員会

欧州委員会、エフラグ1及びISSBが、気候開示の高い整合性を確認

2023年7月31日

欧州委員会は、本日、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)を公表した。これは2024年に発効する。

この公表と同時に、欧州委員会、エフラグ及び国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、ESRSとISSB基準との間の整合性及び相互運用可能性(interoperability)についての議論のアップデートを提供している。

欧州委員会、エフラグ及びISSBは、重複する気候開示基準における、それぞれの気候関連の開示要求に関する相互運用可能性を改善する作業を共同で行ってきた。この作業は、非常に高い整合性をもたらし、またISSB基準とESRSの両方を適用しようとする企業にとっての複雑性及び重複を低減させることにつながった。

ESRS及びISSB基準は、それぞれの権限の範囲で開発されたが、投資者の視点を超えたインパクト・マテリアリティ及び別個の基準におけるESG事項の対象範囲に関し、いくつかの相違があった。しかし、相互運用可能性に関して実施された作業により、企業が労力(effort)の重複を最小限にしながら両方の気候関連基準のセットを効率的に適用できるようにしている。

ESRSとISSB基準の両方を適用する予定の企業を支援するために、欧州委員会は、エフラグ及びISSBとともに、相互運用可能性についてのガイダンス文書に関する作業を行う予定である。これは、企業が当該基準の間を行き来するのを支援し、一方の基準のセットによってのみ要求される追加的な開示がどこにあるのかを理解するためのものである。

欧州委員会は、エフラグ及びISSBとともに、それぞれの基準の相互運用可能性を最適化するために、共同で作業を行うことを継続する予定である。企業が当該基準の間を行き来するのを支援するためのガイダンス文書の発行に加えて、共同作業は、さらに相互運用可能性を促進する手段として、開示のデジタルなタグ付けに焦点を当てる予定である。

ISSBのエマニュエル・ファベール議長は、次のように述べた。

私は、欧州サステナビリティ報告基準の公表について、欧州の同僚たちに祝意を表する。さらに、ISSB基準とESRSとの気候に関する要求事項の間で、非常に高い整合性を達成するための彼らの積極的な協力に感謝する。

多くの進展が成し遂げられた。我々は重複する開示負担の削減を大幅に前進させ、ESRSだけでなくISSB基準を適用する企業が、我々のそれぞれの権限を反映したナビゲーション・ツールを用いることができるようになるだろう。

我々は、まだレビューを行っていないが、エフラグが自身の作業に関するマッピング・テーブル案を公表したことを歓迎する。我々は、最終化されたESRSに関する我々自身の分析を完了させ、欧州委員会及びエフラグと緊密に連携することを継続し、可能な限り早期に市場に明瞭性を提供するような、適切な相互運用可能性についてのガイダンス文書を開発する予定である。

ISSBは、投資者の意思決定のために、一貫性があり比較可能であるサステナビリティ関連財務開示を提供することを求められた。ESRSとの相互運用可能性及びIOSCOによるISSB基準のエンドースメントに向けた最近の力強い進展は、このビジョン及びその導入に向けた継続的な国際的支援を表している。

以 上


1 旧欧州財務報告諮問グループ