2024年4月23日
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、将来の優先事項に関するISSBの最近の協議に情報がもたらされたことにより、次に関連するリスク及び機会に関する開示をリサーチするためのプロジェクトを開始する。
リサーチ・プロジェクトは、これらのリスク及び機会が企業の見通しに影響を与える(affect)と合理的に見込み得るかどうか、及びどのように企業の見通しに影響を与える(affect)と合理的に見込み得るかについて評価するにあたり、投資者の共通の情報ニーズに焦点を当てる。
ISSBの最初の基準に対するアプローチと同様に、ISSBは、どのように関連する既存の取組みを基礎とする場合があるかを検討する。既存の取組みには、既にISSBの管轄下にあるもの(「SASBスタンダード」及びCDSBのガイダンス)や、さらに、自然関連財務開示に関するタスクフォース(TNFD)の作業の関連する側面を含む。
すべてのサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する重要性がある(material)情報の開示は、既にIFRS S1号のもとで要求されており、気候以外の適切な開示を提供するために、「SASBスタンダード」を含む、ガイダンスの情報源を参照することを企業に求めている。これらのプロジェクトは、サステナビリティ関連財務開示のグローバル・ベースラインを構築するために、より具体的な開示を確立することが必要とされる主要な領域において、ISSBが自らの基準設定作業に着手できるようする。
リサーチ・プロジェクトを通じて、ISSBは、これらの領域における現在の開示の限界を評価及び定義し、潜在的な解決策を識別し、基準設定が求められるかどうかを決定する。
ISSBの今後2年間の優先事項は、ISSBの最初の基準であるIFRS S1号及びIFRS S2号の導入(implementation)を支援することである。2つの新たなリサーチ・プロジェクト及び「SASBスタンダード」を向上させるための作業は、ISSBが焦点を当てる他の主要な領域である。新たに発生するニーズ及び国際会計基準審議会(IASB)との対話に対処するため、キャパシティを備えておく。
市場からのフィードバックにより情報がもたらされ、ISSBは、企業自身の労働力(workforce)及びバリュー・チェーン上の労働者に関連するリスク及び機会以外で、人権に関連するリスク及び機会に関するプロジェクト又は報告における統合(integration in reporting)のプロジェクトに、現段階では着手しないことを決定した。しかし、ISSBは、これらの重要な(important)領域における開発を注意深くモニタリングし、将来のアジェンダ協議に含めることを考慮する場合があることについて合意した。
ISSB及びIASBの両審議会は、投資者にとって高品質な企業報告及び一体的な情報パッケージを推進する資源として「統合報告フレームワーク」の使用を引き続き支援する。
6月に、ISSBは、フィードバックへの対応及び今後2年間の作業計画とあわせて、アジェンダ協議に関するフィードバックの要約を公表することを見込んでいる。
ISSBのエマニュエル・ファベール議長は、次のように述べた。
「我々は、気候以外で、投資者の情報ニーズを満たすサステナビリティ関連財務開示のグローバル・ベースラインを構築することを約束している。フィードバックは、企業にとっての主要な価値の源泉として、生物多様性、生態系及び生態系サービス、並びに人的資本に関する改善された開示へのニーズが、投資者の間で著しく(significant)、また、増大していることを示した。
我々の産業固有の「SASBスタンダード」は、投資者の意思決定に有用な情報を提供する費用対効果の高い方法として引き続き用いられる。我々は、「SASBスタンダード」が我々の新たなリサーチの領域についても支援するものであることを踏まえ、「SASBスタンダード」をさらに向上させることを約束している。我々は、今後2年間の作業計画を6月に共有することを楽しみにしている。」
以 上