サステナビリティ基準委員会(以下、組織を指す場合に「SSBJ」といいます。)によるサステナビリティ開示基準等の開発は、公益財団法人財務会計基準機構(以下、「FASF」といいます。)が定める「サステナビリティ開示基準の開発に係る適正手続に関する規則」に(以下、「適正手続規則」といいます。)に従って行われます。以下では、サステナビリティ開示基準等ができるまでの手順について解説します。
SSBJが適正手続を経て公表するサステナビリティ開示基準等は、次の4つに区分して公表されます。
(1) | サステナビリティ開示ユニバーサル基準 | サステナビリティ開示基準の全体像の説明及び基本となるルール |
(2) | サステナビリティ開示テーマ別基準 | サステナビリティ情報に関する全般的な開示及びテーマ別の開示を定める基準 |
(3) | サステナビリティ開示産業別基準 | サステナビリティ情報に関する産業別の開示を定める基準 |
(4) | サステナビリティ開示実務対応基準 | (1)から(3)のいずれにも該当しない分野について、一定の開示を定める基準 |
SSBJは、原則として毎月、サステナビリティ基準委員会(以下、会合を指す場合に「委員会」といいます。)を開催することになっています。委員会の議事は、原則として一般に公開し、傍聴を認めることになっています(委員会傍聴のご案内はこちら)が、SSBJの委員長が必要と認めたときは、議事を非公開とすることがあります。なお、公開される委員会の議事の録画映像は、一定期間、SSBJのホームページで閲覧できるようになっています(こちら)。また、委員会終了後、審議資料は、公開草案の文案等を除き、原則としてSSBJのホームページに公開されます。
サステナビリティ開示基準等及びそれらに関する公開草案及び論点整理の公表に関しては、委員の5分の3以上の多数をもって議決することになっています。サステナビリティ開示ユニバーサル基準及びサステナビリティ開示テーマ別基準を公表する際、公表に賛成した委員と反対した委員の名前を当該基準に記載します。議決に委員が反対した場合、サステナビリティ開示基準等に、反対した委員の反対理由を記載します。
委員会における審議中に、特定の項目について暫定合意のための意思確認を行うことがあります。暫定合意は、出席委員の5分の3以上の多数をもって決定することになっています。
SSBJは、サステナビリティ開示基準等の開発において、市場関係者の意見を十分かつ適切に聴取する必要があるとされています。
新規のサステナビリティ開示基準等の開発及び既存のサステナビリティ開示基準等の改正を行う場合、原則として、公開草案を公表し、広く一般からの意見を募集することになっています。ただし、重要性が乏しい場合など、SSBJの委員長の判断により、SSBJによる議決を経て、公開草案を公表しないこともあります。また、必要に応じて、公開草案に先立ち、論点整理を公表し、同様に意見の募集を行うことがあります。
公開草案及び論点整理は、原則として2か月以上公開することになっています。ただし、重要性や緊急性を勘案し、SSBJの議決により、これを短縮することがあります。
公開草案及び論点整理に対して寄せられた意見については、SSBJが適時に検討を行い、検討の結果をSSBJのホームページに公表します。
サステナビリティ開示基準等を公表する前に、公開草案を再度公表する必要性がないか否かをSSBJが検討することになっています。
SSBJは、重要と認められる新規のサステナビリティ開示基準等の開発及び既存のサステナビリティ開示基準等の改正を行ったときは、サステナビリティ関連財務情報の利用者、作成者、監査人等に与えた影響を評価する目的で、適用後レビューを実施することになっています。適用後レビューは、原則として、新規のサステナビリティ開示基準等が適用された後、2年後から開始することになっています。
SSBJは、適用後レビューの結果、サステナビリティ開示基準等の改正を行うことがあります。その場合に準拠すべき手続は、新規のサステナビリティ開示基準等の開発又は既存のサステナビリティ開示基準等の改正を行う場合と同じ手続になります。
SSBJが基準開発を行う過程において必要とされる適正手続(デュー・プロセスともいいます。)が規定どおりに行われることを監視・監督するため、FASFは適正手続監督委員会を設置しています。
SSBJは、重要と認められるサステナビリティ開示基準等の公表又は改正の都度、又は適用後レビューの計画又は実施の都度、適正手続監督委員会に対して、適正手続規則の遵守の状況を書面により報告することになっています。また、SSBJは、原則として年1回、適正手続監督委員会に対して、対象年度における適正手続の遵守状況の総括を報告することになっています。
以 上