SSBJ サステナビリティ基準委員会

IFRS財団が、ISSB基準の採用に向けた透明性と進捗状況を提供する、法域プロファイルを公表

2025年6月12日

36の法域が、IFRSサステナビリティ開示基準(ISSB基準)を採用又は使用することとしているか、ISSB基準を規制の枠組みに導入する最終段階に進んでいる。IFRS財団は、本日、ISSB基準との高い整合性を示し、資本市場に透明性を提供するために、最初の17の法域プロファイルを公表した。これらのプロファイルの公表は、資本市場にとって、サステナビリティ開示のグローバル・ベースラインの達成に向けた進捗状況を明確にする不可欠な(critical)ステップとなる。

プロファイルには、ISSB基準との整合性に関して各法域が表明した目標及びサステナビリティ関連開示要求の現在の状況についての情報が含まれている。プロファイルは、姉妹ボードである国際会計基準審議会(IASB)におけるプロファイルの公表と同様に、各法域でのサステナビリティ報告の方針が最終化され、これ以上の協議が不要となった際に公表される。具体的には、各法域が、ISSB基準を採用又はその他の方法で使用すること、あるいはサステナビリティ関連の開示要求を導入すること(その要求の対象企業を決定することを含む。)を、正式に公表又は意思決定を最終化した場合である。今回、まだ最終決定には至っていないその他の法域に関する規制アプローチのハイレベルな概要を提供する16のスナップショットも補完的に公表している。

プロファイルされた17の法域のうち、14の法域がISSB基準を「完全な導入(fully adopting)」をする目標、2つの法域がISSB基準の「気候関連の要求を採用」する目標、さらに残り1つの法域がISSB基準の「部分的な組込み(partially incorporating)」をする目標を掲げている。プロファイルが公表された法域は、オーストラリア、バングラディッシュ、ブラジル、チリ、ガーナ、香港、ヨルダン、ケニア、マレーシア、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、スリランカ、チャイニーズタイペイ、タンザニア、トルコ及びザンビアである。

16の法域のスナップショットのうち、12の法域は、ISSB基準と完全に整合した基準(又は要求)(カナダなど)、又はISSB基準を適用した場合と機能的に整合した結果をもたらすよう設計された基準(又は要求)(日本など)を、公表又は提案している。3つの法域は、ISSB基準が要求する開示のかなりの部分を組み込んだ基準(又は要求)を提案している。残る1つの法域は、ISSB基準の使用を容認することを検討している。これらの法域では、採用に向けたアプローチがまだ最終化されていない。各法域がISSB基準の採用又はその他の方法での使用について決定を最終化した際には、IFRS財団はこれらの法域についてのプロファイルを公表する予定である。

ISSB基準のグローバル・ベースラインと整合的である強力な(strong)法域における進展は、世界の資本市場の重大な(significant)部分を占める法域を代表し、グローバルな資本市場の利益のために、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関するより高品質で重要(material)な情報をもたらすこととなる。

エマニュエル・ファベールISSB議長は次のように述べている。

ISSB基準は、急速に変化する世界において、時間の経過に伴うバリュー・チェーンに存在するリスク及び機会を投資家に明らかにする。1年前、私たちは、最初の法域ガイドを補完するために、ISSB基準の採用に関する詳細な法域プロファイルを公表することを約束した。今回のプロファイルは、ビジネスの見通しに影響を与える(affecting)不可欠な(critical)要因に関連する、適切で、比較可能な、信頼性のある情報が不足していることに悩む投資家、銀行、保険会社などに対し、現段階の状況を提供するものである。ISSB基準を新規に採用する法域は、毎月、新しい国・地域が加わり、現在36の法域となっている。

IOSCOの成長・新興市場委員会のメンバーからの関心の高まりからも示されるように、多くの規制当局が、投資家に投資判断に必要な多くの情報を提供し、企業が資金を集めやすくなるよう、それぞれの法域の資本やその取引へアクセスを強化するために、ISSB基準の迅速な採用に政策的根拠を見出している。」

2024年5月に公表した最初の法域ガイドで概説されているように、プロファイルは、投資家、作成者、保証提供者及びその他サステナビリティ関連財務開示に関心のある関係者にとっての公式な参照源となることを目的としている。プロファイルは「法域ガイド」に基づいており、ISSBの代表者の確認の前に、それぞれの法域との二者間での協議と独立したレビューという確立されたプロセスを経て作成されている。また、プロファイルは、まだISSB基準の採用又は使用の検討に着手していない他の法域にとっての参照源として機能し、IFRS財団や「国際開発金融機関(MDBs)」がキャパシティ・ビルディングの必要性を識別することにも役立つ。

各法域への継続的な支援

IFRS財団は、「規制導入プログラム」を通じて法域を支援し続け、ISSB基準の採用を検討する法域を支援するために利用可能なツールとリソースの拡充に投資を行う。最近公表した「ロードマップ開発ツール」は、そのような支援の一例である。このツールは、法域がISSB基準を採用又は使用するためのロードマップを策定する際に生じがちな主な考慮事項と意思決定事項を検討する際に役立つ。

EUに関する留意事項

EUの法域アプローチの説明は、共同で公表したガイドに基づいて相互運用可能性(interoperability)をもってISSB基準を全面的に採用するものであり、ESRSの最初のセットを簡素化する「オムニバス」プロセスの結果と、それによるISSB基準とESRSとの相互運用可能性(interoperability)への影響が未確定のため、これらのプロファイルの開発においては更新されていない。

以 上

(参考)
日本の「JURISDICTIONAL SNAPSHOT」20256月公表)