SSBJ サステナビリティ基準委員会

ISSBが自然関連開示に関する提案について協議を開始

2026年10月22日

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、2027年2月19日まで、自然関連開示に関する提案についてのフィードバックを募集している。

本提案は、企業が、自然関連のリスク及び機会に関する重要性がある(material)情報について、投資家に提供することを支援するために開発されたものである。これには、自然に対する企業の依存関係及びインパクトが、どのように当該リスク及び機会を生じさせるかに関する重要性がある(material)情報が含まれる。

ISSBの基盤となる基準であるIFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」を適用する企業は、既に、企業の見通しに影響を与える(affect)と見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会(自然に関連するものを含む。)に関する重要性がある(material)情報を開示することが求められている。ISSBの自然関連開示プロジェクトの焦点は、企業がこの情報をどのように提供できるかについてより詳しく示すことであり、これにより、世界中の自然関連財務情報の質及び比較可能性を向上させることである。

既存のISSB基準と整合的に、ISSBのアプローチは、縦割りにされた報告(siloed reporting)を避けるように設計されている。これにより、投資家は、自然関連のリスク及び機会と、気候関連を含むその他のサステナビリティ関連のリスク及び機会とのつながり、並びに財務諸表における情報とのつながりを理解できるようになる。

ISSBは、本提案の開発にあたり、「自然関連財務開示に関するタスクフォース(TNFD)」の作業を幅広く活用している。特に、自然関連開示を提供する際に、所在地並びに「先住民族」、「地域コミュニティ」及び影響を受ける(affected)ステークホルダーとの相互作用の関連性を強調している。

ISSBの提案は、「実務記述書」の形式を採っている。「実務記述書」は、IFRS財団の公表資料において、独立した重要な(prominent)一部分であり、IFRS財団の完全なデュー・プロセスの対象となる。内容及び起草の観点からは、「実務記述書」と「基準書」との間に違いはない。主な違いは、企業は、ISSB基準への準拠を表明するために、「実務記述書」に準拠することは要求されないという点である。このアプローチにより、質の高い自然関連開示を支援する一方で、企業及び各法域によるISSB基準の導入に向けた取組み(efforts)における混乱を防ぐことができる。

ISSBは、本提案の内容に関するフィードバックを求めることに加え、「実務記述書」として最終化するか、又は別の形式で(例えば、「基準書」として)自然関連の内容を公表するかについてもフィードバックを求めている。

ISSBは、本提案の開発にあたり、「IFRSサステナビリティ実務記述書」と併せて、「グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)スタンダード」又は「欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)」を適用することを選択する企業や適用しなければならない企業が、効率的にそれらを適用できることを確実にするために作業してきた。

エマニュエル・ファベールISSB議長は、次のように述べている。

「生産のための水へのアクセスであれ、輸送のための河川へのアクセスであれ、又は受粉のためのミツバチへのアクセスであれ、世界中の企業は自然に依存している。こうした環境資源に対する企業のアクセスが脅かされる場合、当該企業は自らの見通しに影響を与える(affect)リスク及び機会に直面する可能性がある。

我々は、自然関連開示に関する「IFRSサステナビリティ実務記述書」に準拠する企業は、投資家に対して質の高い報告を提供する上で、最も良い立場に立つことになると信じている。」

スー・ロイドISSB副議長は、次のように述べている。

「我々は、企業がIFRS S1号及びIFRS S2号を初めて適用することに深く取り組んでいることを認識している。我々が提案しているのは、ISSB基準を適切に導入するための時間を市場に与える必要性と、自然に関する情報に対する投資家の需要とのバランスを取ることである。」

TNFDのデイビッド・クレイグ共同議長は、次のように述べている。

「TNFDフレームワークを幅広く活用した、ISSBの自然関連開示に関する公開草案の公表を歓迎する。この節目は、より良い自然関連報告の推進にあたり、TNFDが過去5年間にわたり達成してきた勢いを基礎とするものであり、これまでの進展と、質の高い自然関連情報に対する大きな需要の双方を証明するものである。TNFDは、評価及び開示に関する自らの技術的作業を既に完了しており、現在、ISSBが提案を最終化するにあたって継続的な支援を提供するとともに、世界各地でキャパシティ・ビルディングのための取組みを実施することに焦点をあてている。」

資料へのアクセス及びコメントの提出

詳細はこちらのウェブページをご参照下さい。

コメントはオンライン・サーベイを通じて提出されたい。120日間のコメント募集期間は、2027年2月19日に終了する。

以 上